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スポーツ教育学科 新着情報

「教えることで学びを深める」学生アスレティックトレーナー
2022.08.01スポーツ教育学科
アスレティックトレーナーは、スポーツをする人たちが安全に、そして安心してスポーツ活動に取り組むことができるよう支援する役割を担っています。アスレティックトレーナーを目指す学生たちは、スポーツ種目特有のケガや事故の発生を想定して、緊急時の行動計画を立てて実践に備えたシミュレーションを行います。今年度、アスレティックトレーナーの現場実習では、野外教育活動を専門とするゼミ生たちを対象に、胸骨圧迫と弾性包帯を用いた足関節の固定を題材として救急対応について、教えることで学びを深める取り組みをしました。
事故が発生して119番通報してから救急隊が到着するまで約6分かかると言われています。仮に、目の前の傷病者が胸骨圧迫を必要とする状況に遭遇したとします。胸骨圧迫を3秒間中断すると、蘇生率が97%になり、10秒間で78%、15秒間では40%にまで著しく低下します。野外活動は、市街地から距離のある山や海などの自然で活動することが多く、事故が発生したときに救急隊が到着するまでに6分以上かかることも十分に想定されます。また、救急隊に引き継ぐまで、胸骨圧迫を絶え間なく続けることは想像以上の体力が消耗します。そこで、一人でも多くの人が胸骨圧迫をできるようになると、かけがえのない命を救うことにつながります。
弾性包帯は、アイスバッグやケガをした部位を固定するときに用いられます。経験豊富なアスレティックトレーナーが手際よく弾性包帯を患部に巻いているのを見ると、自分でもすぐにできそうですが、実際にやってみるとそう簡単ではありません。そこで、学生たちは効果のある巻き方を手際よくできるようになるまで、繰り返し練習します。
教えることを通して、「知っている」ことを「わかる」そして「できる」レベルにまで到達するよう、アスレティックトレーナーを志す学生たちは、日々学んでいます。
 
教授・吉田 真 (専門:アスレティックトレーニング学)