野戸谷ゼミは、「特別支援教育」「たのしい授業」をキーワードに実践的経験の場の設定と文献の紹介、輪読を行っています。たのしい授業は単に「おもしろおかしい授業」ではなく、子どもにとって「たしかな学び(=視野が広がった、新しい知識や経験が身に付いた)のある生き生きとした授業の状態」そのものであると考えます。そして、子どもにとってのたのしい授業は、教える教師にとってもたのしいものであるはずです。
今回、ゼミでは〈折り染め〉を取り上げました。〈折り染め〉は、学校内外で実践が広がる「ものづくり教材」です。障子紙を決まった折り方で折り、好きな色の染料につけるだけで、とてもきれいな染め物ができあがります。〈折り染め〉を「そーっ」と広げるときの「どきどき、わくわくする気持ち」、そして実際にできたときのよろこびは〈折り染め〉でしか得られない経験です。
ゼミの学生の中からメインティーチャー(MT)、サブティーチャー(ST)を決めて「折り染め指導者」になってもらいました。間違いなくたのしい授業ができることがわかっている教材を扱い、授業を受ける側のたのしさ、指導する側のたのしさを経験することが大切だと考えています。はじめて〈折り染め〉を教えるMT、STでしたが、とても丁寧、親切に指導ができました。参加の学生からも「折り方や色の合わせ方によって柄が変化するおもしろさを体験できてたのしかったです」「色の組み合わせによって上品さがでたり、季節感がでたりとたくさん表現できてたのしかった、先生(ST・MT)の教え方も上手でした」などの感想がありました。
たのしく教える体験、教わる体験によって、授業の可能性を感じ、たのしく学びがいのある授業ができる指導者になってほしいと思っています。