私の専門は特別支援教育です。今回は、現在取り組んでいる研究の一部をご紹介します。
本研究では、障害のある生徒が高等学校在学中から大学進学後も安心して学び続けられるように、高等学校における特別支援教育と、大学で行われている障害学生支援の現状を明らかにしています。さらに、高等学校と大学の障害学生支援部署との連携のあり方を検討し、進学を希望する生徒への支援をより充実させるために必要な視点を、理論的・実証的に探っています。
今年2月には、研究成果を広く共有することを目的にシンポジウムを開催しました。当日は沖縄など遠方からの参加もあり、多くの方々がこのテーマに関心を寄せてくださっていることを実感しました。
障害の有無にかかわらず、高校から大学への進学には大きな環境の変化が伴います。特に、学び方や生活スタイルの違いは、すべての学生にとって新たな挑戦となることが、これまでの研究からも明らかになってきました。
たとえば、大学では高校のように毎日ホームルームがあるわけではなく、授業も友人と同じとは限りません。そのため、自分で情報を集め、必要な情報を見極める力が求められます。休講や教室変更などの情報は、ポータルサイトやメールをこまめに確認することが大切です。
また、履修する授業の登録や変更も自分で行う必要があります。必修科目や集中講義、教員免許状の取得など、卒業や進路に応じた履修計画を立てる力が求められます。授業時間も高校より長く、教室も広くなります。学びの内容も、暗記中心からディスカッションやレポート作成など、より多様なスタイルへと変化します。
生徒が自分らしい進路を安心して選び、歩んでいけるようにすることは、すべての学校に共通する大切な課題です。私の研究では、その中でも大学進学を希望する生徒への支援に焦点を当て、進学前からの準備や支援のあり方を具体的に検討し、教育現場での実践につなげていくことを目指しています。
スポーツ教育学科 立田 祐子
※本シンポジウムは既に終了しております。