今年度のアスレティックトレーニング指導実習は、前半はオンラインで学生選手の体調管理や自宅内での運動指導、そして模擬症例の検討などを中心に行いました。7月にはいり実技科目の対面再開とあわせて、アスレティックトレーニング指導実習も対面活動となりました。対面となったといえども、選手と密接する活動はできませんでした。しかし、コロナ禍と未曾有の環境を逆手に取り、感染症対策に集中して取り組みました。その一つとして、実技科目の授業現場で感染症対策が適切に実行されているかを観察して、必要に応じて助言するなどの観察活動を行いました。また、多くの学生は外出自粛で運動量が低下している中、暑熱下の運動再開でしたので、熱中症対策にも気を配りながら観察活動しました。
感染症対策はアスレティックトレーナーの活動においても、重要な安全管理の一つです。感染症対策について、教科書や専門誌を読んで知ってはいても、実際にできるレベルに到達するためには、知っていることを自覚的に繰り返して実行するという経験により、確かな力が培われます。今年度の実習生は、対面活動が限られてしまいましたが、コロナ禍における感染症対策活動という希少な経験を実体験しました。現実社会は、はっきりとした答えがないことばかりです。コロナ禍は、まだしばらく続くでしょう。今回の経験を糧に、未来を創る生産者の一人として活躍することを期待しています。
教授・吉田 真(専門:アスレティックトレーニング学)

マスクとフェイスシールドを着用して観察

観察記録をスライドにまとめることも実習活動の一つ