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「北翔大学室内直走路完成式」が執り行われました
2022.09.22お知らせ
9月21日(水)13:00~15:00にかけて、第1体育館2階に新しく設置された直走路前で、北翔大学同窓会(淑萃会)主催による「北翔大学室内直走路完成式」が執り行われました。
室内直走路は、北翔大学陸上競技部に今年北風沙織監督が就任したこともあり、北翔大学に通う学生が外で練習できない冬期間も競技力向上を目指して活用して欲しいとの思いから設置されたものです。
 
大宮スポーツ科学センター副センター長の司会の下、完成式は、最初に今回工事を依頼した同窓会の伊藤みどり会長から、直走路を作った経緯、この施設を大学に寄付するので大いに活用して欲しいとの要望、記念講演をいただく右代啓祐氏へのお礼のご挨拶をいただきました。続いて山谷敬三郎学長から挨拶があり、貴重な施設を寄付いただいた同窓会への感謝の言葉が述べられました。また、ご講演いただく右代啓祐氏へのお礼と参加学生に対して、またとない機会を大事なものにしていただきたいとのお話しがありました。その後、伊藤同窓会長から山谷学長へ目録の贈呈があり、同窓会より北翔大学に室内直走路が寄付されました。
 
目録の贈呈終了後、江別市出身で陸上十種競技日本記録保持者の右代啓祐氏による特別講演『競技スポーツにおけるフィジカルトレーニングの方法』が行われました。右代啓祐氏は、陸上十種競技の第一人者として、オリンピック2大会連続出場、世界選手権5大会連続出場、アジア大会3大会連続出場(2連覇中)であり、日本選手権では最多優勝回数8回(内6連覇)を誇ります。日本を代表するトップアスリートの話を伺おうと、聴衆席であるスタンドには体育系部活・サークルの学生、指導者等約60名が集まり、右代氏の話しに真剣に聞き入っていました。
 
本学陸上競技部北風沙織監督との掛け合いによる講演が進行し、右代氏から、ご自身の
競技履歴や急速に身長が伸びたことによるオスグッド病(成長期に頻発するスポーツ疾患)
に悩まされていたこと、高校時代恩師の薦めで8種競技に取り組み高校生インターハイで結果が出たことで人生を変えてもらったこと、恩師との「出会い」の大切さについて語られ、今後は競技者だけでなく、指導者としても「見る力」「言葉で相手を変える力」をもとに、様々な気づきを選手に与えていきたいとの話がありました。北風監督からも、恩師との「出会い」が自分も大切だったとのコメントがありました。
 
また、大学時代の話では、ある程度記録が出た時と同じトレーニングでは結果は出ない、何のためにこの動きをしているのか、自分の体をどうしようとして練習していくのかを意識してトレーニングをしたという話があり、「アスリート=みんなが憧れるもの、トップとして戦うからにはジェントルマンとして振る舞わないといけない」と意識して、そうしたイメージと実際を合わせられるように、自分の体をいかに自由自在に動かせるかを考えて試練とも言えるトレーニングを課して、十種競技で日本人で初めて8000点を超えることができたとの話がありました。
 
失敗例の話もしてくださりました。日本選手権で6連覇する前年、ダントツの首位を走っていて、3種目を残している段階で、意識が優勝やその後の世界選手権に行き過ぎ、冷静さを失い、次の種目で3回失敗して0点となり、総合順位も10位に沈んだとのことです。その際に監督から「今日の失敗は失敗と思わない。今日からが右代のスタートだな」という言葉が心に響き、そこから頑張って自分自身が周囲を気にせず集中できるようになったという話を紹介してくれました。北風監督からも「言葉のきっかけは大事。今日聞いている学生の皆さんも右代さんの言葉をきっかけにして欲しい」とのコメントがありました。
 
オリンピックに2大会連続で出場している右代氏ですが、ロンドンオリンピックでは8万人の聴衆にパワーをもらい、2回失敗で追い込まれていた競技で声援に後押ししてもらう形で3回目に成功、スポーツにおける観客のパワーと、逆に観客を魅了する競技スポーツのパワーを体感したとの話がありました。
 
その後、実際に右代氏が競技練習の前に行うフィジカルトレーニングを聴衆として聞いていたほぼ全員の学生が参加し、体験しました。トップアスリートが行う練習前のフィジカルトレーニングは想像以上にきつく、学生は事前準備の大切さと大変さを理解する貴重な機会になったと思われます。

終了後、質疑応答が行われ、その後同窓会が用意した花束が右代氏に送られました。最後に改めて学生がスタンドに集合し、右代氏、北風監督と共に写真撮影を行い、完成式は終了しました。
 
大学に素晴らしい室内直走路をご寄付いただきました同窓会(淑萃会)に改めて感謝申し上げたいと思います。
 
(スポーツ支援室)