生涯スポーツ学研究科 研究科長(令和3年4月就任)
川西 正志(かわにし まさし)
文部科学省が平成24年に策定した「スポーツ基本計画」では、スポーツの果たす役割を踏まえ「スポーツを通じてすべての人々が幸福で豊かな生活を営むことができる社会」を創出するため、「年齢や性別、障害等を問わず、広く人々が、関心、適性等に応じてスポーツに参画することができる環境を整備すること」を基本的な政策方針としました。さらに、平成29年に策定された「第2期スポーツ基本計画」では、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を好機として、「スポーツ参画人口を拡大し、スポーツ界が他分野との連携・協同を進め、一億総スポーツ社会を実現する」ための具体的な政策目標が提示されています。こうした国の政策実現に貢献し得る研究の蓄積と有為な人材の養成を目指すことは高等教育機関として重要な社会的ミッションであることは言うまでもありません。
「大学院生涯スポーツ学研究科生涯スポーツ学専攻博士後期課程」は、生涯スポーツ学を「人の生涯の各ライフステージで継続的に実施され、様々な目的や興味・関心に基づいて行われる運動・スポーツの諸現象に対して、自然科学から人文・社会科学にわたるスポーツ科学の学際的研究アプローチによる基礎的・応用的・実践的研究」と定義し、それらを実施することにより、高度な専門的研究者や高度専門的職業人(指導者)を養成することを目的として設置されました。具体的には、修士課程の生涯スポーツ学を基礎としたスポーツ科学、応用健康科学、スポーツ教育学の3分野の研究領域から、博士後期課程では、運動・スポーツに関する医学・生理学・バイオメカニクス・リハビリテーション学・栄養学・心理学等を主軸とするスポーツ科学研究分野と、生涯スポーツ学・老年学・健康科学・コーチ学・教育学等を主軸とする生涯スポーツ学研究分野の2分野に統合し、さらなる研究の専門化と融合を図り、相互の学際的連携から生涯スポーツ学研究の高度化と専門性の深化を達成することを重視しています。指導スタッフも、これらの研究領域に精通した研究者を配置し、特に、本学博士後期課程で期待される冬季スポーツの科学的サポートや積雪寒冷地域での健康づくりと生涯スポーツ科学に関した研究に対応できる研究指導体制を重点的に確立しています。
本学に設置された大学院生涯スポーツ学研究科(博士後期課程)は、東北以北で初めての博士(スポーツ科学)を取得できる大学院であります。本学大学院修士課程からの進学はもとより、広く社会人で博士取得を目指す方も、本学大学院生涯スポーツ学研究科(博士後期課程)での勉学に挑戦してください。