2025年11月7日(金)、札幌市芸術文化財団市民交流プラザ事業部・舞台技術担当の皆様に札幌文化芸術劇場hitaruをご案内いただきました。「舞台衣装Ⅱ」(3年・後期開講)の履修者を中心に、舞台衣装・舞台技術に興味のある学生と教員4名が参加し、舞台設備、客席、搬入経路、楽屋、衣装アトリエなどを見学しました。貴重な機会をいただき、誠にありがとうございます。
以下、写真とともにご案内いただいた劇場について紹介いたします。
hitaruは4階の多層バルコニーの劇場で、約2,300席。オペラ、バレエといった主催事業をはじめ、ミュージカルや音楽コンサートのツアー公演などにも利用されています。舞台上から客席を背にしての記念撮影は特別感があり、嬉しさが募ります。
ツアーは1階ロビーからスタートしました。市民交流プラザには、カフェ、図書館、ミーティングスペースなどもあり、公演のない時間帯でも賑わっています。集合場所の横では、展示準備の作業も行われていました。エスカレーターで4階へ上がり劇場入口へ。北海道の自然をイメージし、森へ入っていくようなデザインコンセプトだと伺いました。
チケットのもぎりをする入口ではなく、事務所横からバックヤードへ。
舞台上は全面が黒く、上手・下手のみならず奥のスペースも広く設計されています。左上のスノコや右上のライトの倍以上の天井高で、見上げると、美術や照明を吊るすバトンがとても細く本数も数えにくいほどです。
皆、真剣に話を聞いており、スマートフォンでのメモ、写真や動画の撮影を許可いただきました。
実際に幕に触れて素材を確かめ、その素材を採用する意図なども解説いただきました。このバック幕は裏面からプロジェクターで映像を投影することが可能で、舞台上の俳優や美術などで映像が切れてしまう心配がありません。
LED照明など最新機材への対応も可能な設備、1,000kgの重量に耐えられる電動化されたバトンの昇降システムを間近で目にすることができました。利便性や表現の幅が増す一方で、安全管理にも注意を払う必要があります。正しく確実な知識を得ることも大切ですね。
裏方の仕事には、搬入経路の確保も欠かせません。エレベーターは2台あり、一台はトラックの荷台よりも一回り大きなサイズ、もう一台は半分以下のサイズながらも昇降スピードが2倍と、用途によって使い分けます。搬入口は地下にあり、雪の積もる北海道でも安心してトラックから荷下ろしができます。
衣装アトリエでは、2026年2月に上演される「hitaruバレエプロジェクト『くるみ割り人形』」の衣装制作作業が行われており、デザイン画や出来上がった衣装で溢れておりました。実際の上演をお楽しみに!
1階中央・後方、2階中央と複数の客席に座り、舞台の見え方や残響音など、建築的な構造についても解説いただきました。約2,300ある客席は、幅や座面の角度などがその位置によって調整されていて、全く同じ形状をしているものは無いと言ってよいほどだそうです。自分のお気に入りの席が見つかるといいですね。
今後、北翔大学で服飾や舞台芸術を専門的に学ぶ学生が、札幌文化芸術劇場の公演をお手伝いさせていただくような機会があれば、光栄に存じます。このような素晴らしい劇場が身近にあり、充実した学びの場を提供いただけることに感謝し、日々の努力を積み重ねてほしいと思います。
担当教員
織田奈緒子・加藤万紀(芸術学科 服飾美術分野)
柏木純子(芸術学科 舞台芸術分野)
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